Webマーケティング業界は、将来の高いジャンルです。インターネット広告にかける費用は年々増加しており、動画やSNS市場は今後も成長が見込まれています。
この記事では、そんなWebマーケティングの将来性について、市場データを交えながら解説。
さらに、Webマーケターの将来的なキャリアプランや、身に付けておきたいスキルについても紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
Webマーケティング業界の将来性は?市場動向から考察
Webマーケティング業界の将来性について、下記の順で説明していきます。
- Webマーケティングの需要は今後も上昇する
- 動画市場も需要が拡大すると予測される
- SNS系の市場も伸長している
上記を一つずつ解説していきますので、参考にしてみてください。
Webマーケティングの需要は今後も上昇する
Webマーケティングの分野は、今後も需要が高まっていくと見込まれています。CCI/ D2C/電通/電通デジタルが、共同でインターネット広告媒体費を調査したところ、下記のようなデータとなりました。
上記を見てもわかるように、インターネット広告にかける費用は、年々増加しています。ちなみに、2019年にはインターネット広告費がTV広告費を上回りました。
インターネット広告費が増えるほど、Webマーケティング会社の収益も上がります。Webマーケティング会社は、広告費が収益の大半を占めているからです。企業が成長すれば、それだけWebマーケターの需要も高まります。
近年、フリーランスや副業のWebマーケターが増えているのも、企業からの依頼を個人で受けるスタイルが浸透してきているからです。
動画市場も需要が拡大すると予測される
動画市場も、需要が拡大すると見込まれています。Webマーケティングでは、様々な広告を運用して利益を上げる仕組みです。広告には、検索連動型広告と呼ばれているリスティング広告やSNS広告などがありますが、その中でも成長著しいのが動画広告の市場です。
下記のグラフをご覧ください。
上記のグラフを見てもわかるように、動画広告市場規模は、2024年には6.856億円になるとの見込みです。さらに、デバイスごとに見ると、パソコンよりもスマートフォンの市場が伸びているのがわかると思いますが、5Gの恩恵もあると考えられます。
最近では、芸能人やスポーツ選手などがYouTubeに参入し、小さいお子さんからお年寄りのYouTuberも誕生しました。なので、今後も動画市場は伸び続けると予測されます。
SNS系の市場も伸長している
TwitterやInstagramなどのSNS系の市場も、ソーシャルメディア広告の中で大半を占めている分野です。ソーシャルメディア広告とは、個人が発信する情報サービスで、広告の出稿を行うものです。
ソーシャルメディア広告の内訳を示したグラフがあるので、ご覧ください。
先ほど紹介した動画市場よりも、SNS系の方が市場が大きいのがわかります。Webマーケティング市場では、コロナ禍の影響もあり、一部企業のマーケティング投資が落ち込みました。しかし、SNSを通じた新規顧客の獲得や育成は、引き続き維持されています。
Webマーケティングの仕事は今後なくなる?AIに奪われる?
Webマーケティングの仕事はAIに奪われてしまうのかについて、下記の順で解説していきます。
- AIにできること・できないこと
- Webマーケターの人材は不足している
- Webマーケティングで身に付けたスキルは汎用性がある
上記を一つずつ見ていきましょう。
AIにできること・できないこと
AIには、できること・できないことがあります。AIによって自動化される仕事はありますが、AIによって人間の仕事が奪われることはないでしょう。
例えば、AIはデータ集計や分析作業を得意としています。Webマーケティングの分野では、GoogleやYahoo!のリスティング広告が「自動入札」の新機能を搭載し、機械が自動で行うようになりました。さらに、ユーザーに見合った広告を出稿する作業も、AIが日々学習しています。
ただ、AIには企画を考えたり、ある結果が起こった理由までは考えられません。こういった作業は人間にしか行えないので、すべての仕事をAIに奪われる心配はないでしょう。
Webマーケターの人材は不足している
現在、Webマーケターの人手は不足しています。Webマーケティングは、まだ新しい分野の仕事なので、経験のある優秀な人材は少ないのが現状です。
BENCHMARKが、Webマーケティング業務従事者にアンケートを取ったところ、次のような結果となりました。
社内のWebマーケティング業務従事者の規模 | 担当すべき業務が多い、人手が足りない |
1人 | 54.2% |
2人~3人 | 71.7% |
4人~5人 | 67.9% |
6人~10人 | 70.4% |
11人~15人 | 84.0% |
16人~20人 | 75.0% |
21人以上 | 75.2% |
上記を見てもわかるように、大半の方が人手不足を感じているようです。
また、どんな人材が不足しているかについて、下記のようなデータがあります。
Webマーケティングでは、問題点を見つけ改善策を立てて、最終目標を達成するプロセスを考えなくてはなりません。上記のグラフを見てもわかるように、そういったマーケティングの戦略設計ができる人材が不足しているようです。
また、サイト設計やSNSのアカウント運用ができる人材も不足しているようです。
Webマーケティングで身に付けたスキルは汎用性がある
Webマーケティングのスキルを身に付けると、個人として活用できるので汎用性があります。現代は、個人でも情報やモノを販売できる時代です。自分でハンドメイドしたものを、ECサイトを立ち上げて売る方法もあります。
ただ、商品やサービスを購入してもらうには、宣伝や認知度拡大が必要です。Webマーケティングでは、そういったマーケティングの手法が学習できるので、様々な場面で活用できます。
Webマーケティング職の平均年収・いくら稼げる?
Webマーケターの平均年収は、doda社の調査によると466万円となっています。ただ、Webマーケターと一言で言っても、役職や業務の内容で収入は異なります。
それぞれの平均年収をまとめた表を作成しましたので、下記をご覧ください。
役職ごとの平均年収
役職 | 平均年収 |
未経験 | 300万円前後 |
一般社員 | 340万~400万円 |
マネージャー | 450万円~600万円 |
部長 | 650万円~750万円 |
業務内容ごとの平均年収
業務内容 | 平均年収 |
広告運用 | 500万~800万円 |
SNS | 500万円前後 |
SEO | 450万~700万円 |
CVO | 450万~700万円 |
上記を見てもわかるように、役職や業務内容ごとに平均年収が異なるのがわかります。ちなみに、フリーランスの平均年収は、500万円前後です。
Webマーケティング職の将来的なキャリアプラン
Webマーケターのキャリアプランについて、下記の順で説明していきます。
- CMOを目指す
- フリーランスとして独立する
- 副業で稼ぐ
上記を一つずつ解説していきますので、参考にしてみてください。
CMOを目指す
Web専門の広告代理店・制作会社で働くのならば、マーケティングの最高責任者であるCMO(Chief Marketing Officer)を目指すのも、選択肢の一つとなります。CMOは、Webマーケティングの深い知識が必要で、高い影響力を持つ役職です。
スタートアップやベンチャー企業は優秀なCMOを欲しているので、CMOレベルのスキルがあれば引く手あまたの存在になれるでしょう。ちなみに、CMOまで到達しなくても、事業部長やマネージャーになれば収入アップは期待できます。
フリーランスとして独立する
Webマーケターとして活動するなら、フリーランスとして独立する方法もあります。現在は、クラウドソーシングサイトなどを利用して案件を受注できるので、個人で稼ぐのは十分可能です。
Webマーケティングは、身に付けたスキルが個人に帰属します。なので、独立してもどこでも通用するスキルが自然に身に付くのがメリットです。また、フリーランスなら出世争いで疲弊することもなく、自分のペースで仕事ができます。
副業で稼ぐ
Webマーケティングは、副業として行えます。フリーランスとして独立するにはリスクがあるので、まずは本業を行いながら、副業としてWebマーケティングを行うのが賢明です。
副業でしたら、普段仕事をしているので生活費は確保できます。そして、副業が軌道に乗ってくれば、本業の収入+副業の収入が手に入ります。
Webマーケティングの良い点は、自分のスキルが上がれば収入がアップする点です。なので、副業の収入が本業を上回れば、いずれ独立を考えてみるのもありでしょう。
将来性が高いWebマーケティングスキル
将来性が高いWebマーケティングスキルについて、下記の順で紹介していきます。
- Webマーケターとして必要なスキル
- スキルの掛け算が重要
- YoutubeやSNSは将来性が高い
上記を順に詳しく見ていきましょう。
Webマーケターとして必要なスキル
Webマーケターとして活躍するために、必要なスキルをまとめましたので、下記の表をご覧ください。
必要なスキル | 概要 |
PCスキル | Webマーケティングを行う上で、データの指標やグラフなどを作成するので、ExcelやGoogleスプレットシートなどが扱えなくてはならない。 他に、WordやPowerPointが使用できると、仕事の幅が広がる |
情報収集のスキル | 流行は常に移り変わるので、トレンドをキャッチする情報収集のスキルが必要。なので、常にアンテナを張り、気になることは常に検索する姿勢が必要になる |
SEOの知識 | SEOは、自社サイトが検索結果で上位に入るための施策。Webマーケティングを行う上では、SEOの知識は必須 |
広告運用の知識 | Web広告は主に、リスティング広告・ディスプレイ広告・SNS広告などがあるが、広告を運用するための知識が必要 |
データ分析力 | サイトの売り上げや訪問者数、各プロセスごとのKPI設定など、数値の分析能力。分析には、Googleアナリティクスなどのツールを使用するので、操作方法なども学習しなくてはならない |
Webサイト作成のスキル | サイト作成を行うための、WordPressなどのCMSの操作を覚える必要がある。プログラミングやWebデザインを学習すれば、仕事の幅が広がる |
コミュニケーション能力 | Webマーケティングは、チームで作業する場合や、クライアントや営業担当とのやり取りが必要。特別なスキルが必要なわけではないが、ビジネスマナーは身に付けなければならない |
以上が、Webマーケターに必要な基本的なスキルとなります。すべてを一度に覚えるのは無理なので、少しずつ時間をかけてスキルを身に付けていきましょう。
スキルの掛け算が重要
Webマーケターとして活躍するには、スキルを掛け算すると活躍しやすくなるでしょう。一つの分野に特化するのも悪くないですが、様々なスキルを身に付けた方が、希少価値の高いWebマーケターとなれます。
スキルの掛け算には、例えば次のようなものがあるので、参考にしてみてください。
- SEO×広告運用
- SEO×SNS
- SNS×動画
上記のように、一つのスキルを掛け合わせると相乗効果が生まれ、より価値の高いサービスを提供できます。また、複数の集客経路を作れるのもWebマーケターのスキルなので、自身の市場価値も上がるでしょう。
スキルの掛け算をすると、企業が欲しがる貴重な人材となれるので、ぜひ挑戦してみてください。
YoutubeやSNSは将来性が高い
YoutubeやSNSは、将来性の高い分野です。現代は、誰でも気軽に情報発信できる時代となっています。情報発信は、YouTubeやSNSなどを利用して行われますが、最大のメリットは“個人”を打ち出せる点です。
ネット上には様々な情報があふれていますが、ユーザーは“誰が発信しているのか”を重要視します。「この人が言ってるなら間違いない」「知らない人から勧められても買いたくない」となるので、個人のブランド力を高めるのが重要です。
そのために、“ほかにはない独自の強み”を打ち出せれば、YouTubeやSNSを利用して成功するのも可能でしょう。
まとめ:Webマーケティングの将来性は高い
Webマーケティング市場は拡大しており、その中でも動画やSNSは今後も成長が見込まれています。
Webマーケティング市場が拡大する一方で、優秀で実績のあるWebマーケターは不足しているのが現状です。なので、Webマーケティングのスキルを複数身に付ければ、引く手あまたの貴重な存在になれるでしょう。
ただ、Webマーケティングは個人でも活躍できる職業なので、フリーランスや副業で活躍するのも十分可能です。