ECやBtoBビジネスが当たり前になっている時代、企業におけるwebマーケティングの重要性はますます高まっています。需要の高まりを見てwebマーケティングに転職しようと考える方も多いのではないでしょうか。
この記事では、webマーケティングに向いている人・向いていない人の特徴について、webマーケティングのそもそもの仕事内容から詳しく解説していきます。
webマーケティングとは
webマーケティングと聞いて、皆さんはどのような仕事内容を思い浮かべるでしょうか。
そもそもマーケティングとは、「商品やサービスをより多くの顧客に届けるための活動」を指します。
商品やサービスをただ開発し、届けるだけでは幅広い顧客に届けることはできません。
自社の商品・サービスを求めている人がどの程度いて、どのような売り方だと効率よく届けることができるのか。
そうしたことを数値化し、グラフにしたうえで詳しく解析することによって、「商品やサービスの正しい届け方」をプレゼンする。それがマーケティング本来の役割なのです。
webマーケティングでは、webサイトなどのチャネルを通して顧客の流入データを収集し、web上での販促活動がよりスムーズに進むような施策を考えます。
具体的には、「webページごとの滞在時間」、「検索エンジンからの流入数」、「商品ごとの成約率」などのデータを総合して、顕在顧客はもちろん、潜在顧客のニーズを掘り起こしていきます。
自社リソースによるwebマーケティングのほか、外部クライアントによるwebマーケティングの依頼もあり、その場合はクライアントと何度も折衝を重ねることによって最適な商品開発、および販促ルートを模索していきます。
webマーケティングの仕事内容は?
webマーケティングとは、その名の通りwebを利用したマーケティングを行う仕事です。
その業務に従事する人のことを「webマーケター」と呼ぶ場合があります。
webマーケティングの仕事内容はどういうものがあるのでしょうか。
本項ではwebマーケティングの仕事内容について紹介します。
こちらで確認していきましょう。
集客
webマーケティングにおいて最も重要な仕事が集客です。
「どのターゲットに対して訴求すれば効率よく商品やサービスを届けることができるのか」を数値的に分析したうえで、アンケートやネットから生のデータを収集し、効果的なプレゼンを考えることがマーケティング本来の役割なのです。
webマーケティングの代表的な集客手法としては、検索流入、SNSからの誘導、メール、Web広告が挙げられます。
検索流入とは、Googleなどの検索エンジンから直接的にサイトに誘導する手法で、オーガニック検索とも呼ばれます。
検索流入を増やす方法としてはSEO対策があります。SEOとは「検索エンジン最適化」のことで、Googleアルゴリズムから高く評価され、検索エンジン上で上位表示されやすいコンテンツをコンスタントにリリースすることが検索流入の増加につながります。
SNS流入とは、TwitterやInstagramを通じた自社サイトへの誘導を表します。商品やサービスをSNS上でツイートし、効果的なハッシュタグをつけることでより多くのユーザーの目に触れるようになります。
アパレル業界など、商品を視覚的にアピールする分野ではInstagramと特に相性が良く、ハッシュタグの組み合わせを工夫することで訴求効果をより高めることができます。
メールマーケティングとは、顧客に直接メールを送ることで販促につなげる手法のことです。一度でも商品やサービスを購入してもらった、あるいはアンケートにこたえてもらったユーザーにあらためてメールを送ることで商品やサービスをより強くアピールすることができ、成約率上昇につなげることができます。
顕在顧客に訴求するという意味では、リターゲティング広告と相性の良い集客手法です。
web広告には、アフィリエイト広告、アドセンス広告、リスティング広告、リターゲティング広告などの種類があります。マーケティングではこれらの広告を組み合わせたうえで集客率上昇が見込めるパターンを分析し、webサイトへの効果的な誘導をはかります。
webサイトの分析
Google Analyticsなどのデータ解析コンテンツを利用したwebサイトの分析も、webマーケティングの領域のひとつです。
分析といっても多岐にわたり、以下のように分類されます。
1)webサイトへの流入経路
webサイトに流入してきた経路を分析します。
例えば、
- Googleなどのポータルサイトからの自然流入
- アフィリエイトからの流入(広告流入)
- SNSからの流入
- 直接流入(ブックマーク)
などが挙げられます。
2)離脱率
ユーザーによる訪問があった後、閉じられた際にどのページが最後のページになったかの割合を示します。
「離脱したセッション数 ÷ 全PV数」で算出されます。
3)回遊率
1回の訪問でユーザーが何ページ回ったかを表す割合のことを表します。
一般的には回遊率が高いほど、ユーザー満足度の高いwebサイトです。
「PV数÷訪問数」で算出されます。
以上に挙げた項目が、web分析の代表的なものになります。
ターゲティングの提案
「誰が・どういう目的で」webを使うかを知るのがターゲティングです。
ターゲティングとは、市場細分化(マーケットセグメンテーション)といい、ターゲット(ペルソナ)を絞り込み、マーケティング戦略を立てることをいいます。
顧客のwebサイトを分析し、どのようなサイト構成にすればターゲット(ペルソナ)により訴求することができるかを提案する業務があります。
webマーケティングのやりがいは?
webマーケティングのやりがいを3つ紹介します。
- 専門スキルが身につく
- 仕事の成果が数字でわかる
- 自分が携わる商品が世間に広まる
1)専門スキルが身につく
仕事を通して専門スキルを身につけることができます。
マーケティングの仕事は、市場調査・分析をはじめ、商品開発、営業、広告、宣伝など多岐にわたります。
さまざまな知識とスキルが身につくため、webマーケターとしてだけでなく、他業界でも役に立つ人材になることができるでしょう。
2)仕事の成果が数字でわかる
仕事の成果が数字化されるため、どれほど成果があったか可視化されます。
数字はウソをつきません。
自分が担当するサービスがどのような影響があるか客観的に見ることができるので、努力のベクトルがあっているのか、変更するべきかを判断しやすいです。
仕事の成果が目に見えて上がっていくことが大きなやりがいに繋がるでしょう。
3)自分が携わる商品が世間に広まる
商品・サービスのマーケティングが上手くいくと、世間で大きな評価を得ることができます。その商品・サービスの良い点を世の中に広める役割を担うため、責任重大です。
その反面、携わる商品・サービスが世間で役に立つと、自分が関わっていることの実感が大きく、やりがいに繋がります。
webマーケティングに向いている人の特徴14選
webマーケティングに向いている人にはどのような特徴があるのでしょうか。
この項では、webマーケティングに向いている人の特徴を解説します。
①好奇心に溢れている
webマーケティングはIT業界でも特に変化の激しい分野であり、数週間単位でトレンドが移り変わると言われています。
新しい知識を取り入れることも求められる業界ですので、もともと強い好奇心を持ち、世間の流行に敏感でいられる人がwebマーケティングでは求められます。
②心理学に強い関心がある
マーケティングは、人々の深層心理を探ることから始まります。
広告のプランニングでも、「なぜクリックするのか」、「なぜクリックしないのか」、「どうしたらもっとクリックもらえるのか」など、行動心理学に基づいた知見をもっていると強みになります。
また、クライアントとの折衝では時として要求に折り合いをつけるプロセスが求められますので、「相手を説得し、納得させる」という意味での心理学が大きな武器となるでしょう。
③ロジカルシンキングに長けている
物事を論理的に考えられる人はwebマーケティングに向いています。
クライアントへのプレゼンでも、「なぜ今、このサービスが求められているのか」、「なぜこの数字が導き出されるのか」ということをロジカルに伝えることで説得力が増し、成約率が高まります。
④数字に強い
数字とマーケティングは切り離せない関係性があるため、数字に強いと活躍できます。
ただ単に表面上の数字を追うだけでなく、数字の裏にあるトレンドや消費者心理をしっかりと読み込んだうえで分析できる力を持っていると、即戦力として重宝されます。
⑤何かに没頭できる
webマーケティングは華やかな世界に見えて、その実、地味な作業の連続だったりします。
特に、データ解析・トレンド分析の段階ではひとつのこたえを求めて何十時間も集中して考えるプロセスが求められるでしょう。
そのため、webマーケティングでは粘り強さと集中力が求められるのです。
⑥つねに売上を追求できる
webマーケティングは基本的に、数字で実績が測られる世界です。
日頃の努力や集中は必ず売上に直結します。
ただ、売上のみをやみくもに追求すると周囲から孤立し、自分を見失ってしまうことにもなりますので、毎日の積み重ねを大切にしましょう。
⑦発想が豊か
webマーケティングはある意味で、クリエイティブな仕事です。
トレンドやデータという事実をもとに「こうすればサービスはもっと良くなる」というストーリーを作り、ロジカルに基づいてクライアントにプレゼンする……いろいろな角度からアイディアを出し、検討できる力がマーケティングでは活きてくるでしょう。
⑧コツコツと作業を積み重ねるのが得意
webマーケティングは、地道な作業の連続です。
データ解析、グラフ化、アンケート集計、フィードバック。コツコツとした作業があるからこそ大きなプロジェクトの成功がある、ということをしっかりおさえておきましょう。
⑨対面業務が好き
マーケティングはチームで行動することが多いです。
そのため対面での打ち合わせが多いので、対面での業務が好きな方が向いているでしょう。
⑩交渉力がある
webマーケティングでは時として、クライアントと意見がぶつかり合うことがあります。クライアントの意見を100パーセント通すだけでは思うような結果が出ず、利益にもつながりません。
クライアントのニーズを尊重しつつ、こちら側のアイディアを理解してもらうだけの交渉力が求められます。
⑪マルチタスクを意識できる
webマーケティングでは、忙しい時期には業務がいくつも重なることがあります。
前述した分析などの業務に加え、クライアントとのやりとりやプロジェクトの進捗管理を行わなければいけません。
したがって、マルチタスクをこなせる人が向いています。
⑫主体的に行動できる
マーケティングにおいては、明確な答えがあらかじめ用意されているわけではありません。
時代のトレンドや消費者心理から市場の潜在ニーズを読み取り、ひとつのストーリーを主体的にプレゼンできる人材がwebマーケティングでは輝きます。
⑬ITやweb業界に関心がある
webマーケティングは、ITに詳しくない人材ははっきり言って苦労します。
「未経験でも可能!」という企業も時々ありますが、即戦力として認められたいのであれば、業界の基礎知識程度は身につけておいたほうがいいでしょう。
責任感が強い
マーケティングでは、ひとつのプロジェクトが長期にわたることがあります。
そのため、責任感が強く、プロジェクトを最後までやり遂げられる人が向いています。
webマーケティングに向いていない人の特徴9選 | こんな人はやめとけ
これまでは向いている人の特徴を紹介しました。
では、逆にwebマーケティングに向いていない人にはどのような特徴があるのでしょうか。
①完璧主義すぎる
いわゆる自己完結タイプで、答えを自分ひとりで出そうとする人はマーケティングには向いていません。
webマーケティングは、クライアントがあって初めて完成します。データ解析によって万全な準備を整えたうえでクライアントのニーズを取り入れ、ひとつのプロジェクトとして完成させる。
完璧を目指すことも大切ですが、一方で、柔軟性を保っておくことも重要です。
②失敗の教訓を深く考えない
ひとつの失敗をいつまでも引きずっていると、作業が前に進みません。
楽天的な方が向いているでしょう。
③答えを安易に人に聞いてしまう
webマーケティングではひとりひとりがプロジェクトの責任者であり、リーダーです。
壁にぶつかったからといってすぐに解決をあきらめ、答えを外部に求めるような人材はステップアップのチャンスを自分から逃しているようなものですし、長期的には信頼を失っていくでしょう。
④変化についていけない
マーケティングの世界は日々刻々と変化していきます。
日々、業界以外のトレンドにも敏感に目を向けたり、新しいプロジェクトにもすぐに馴染めたりする人材のほうが成長が早いと言えるでしょう。
⑤外回りの仕事が好き
webマーケティングは、ほとんどの業務がデスクワークで片付きます。
そのため、営業職など、外回りの仕事に向いている人は業界に入っても苦労するかもしれません。
⑥情報を疑わない
目に見えるトレンドを追っているだけでは、優秀なwebマーケティングとは言えません。
ネット上には信頼性に乏しい情報や明らかなフェイク情報も紛れ込んでいます。
ひとつひとつノ情報に際して、「本当に正しいのか」という視点をつねに持っておくことで精度の高いプレゼンが可能になります。
⑦ルーティンワークに慣れている
webマーケティングでは、ルーティンワークはほぼ存在しません。
扱うデータも日々異なりますし、プレゼンが重なる時期には毎日違うクライアントと折衝を重ねることもあります。
ルーティンワークのほうが好き、という人はまず、変化に慣れるトレーニングから始めてみてはいかがでしょうか。
⑧スキルアップに関心を持てない
webマーケティングの業務にはスキルアップが必須です。
同じ業務のように見えても分析プロセスは深まってきますし、また、プロジェクトリーダーともなればワンステップ上のスキルが求められます。
⑨そもそもPCが苦手
webマーケティングはパソコンを使った仕事がメインになるため、PCが苦手な方にはきついでしょう。
webマーケティング未経験者がwebマーケターになるには?
webマーケティング初心者がwebマーケターになるにはどうすればいいでしょう。
この項ではwebマーケターになるにはどうするか解説します。
①副業で始める
最初は本業のかたわら、勉強しつつ副業ではじめることが良いとされています。
サラリーマンの方がいきなり会社をやめて転職しても良いのですが、実際に始めてみたら想像と違う……なんてことは多々あります。
リスクは低いほうが安心なので、まずは副業からスタートすることを検討しましょう。
②webマーケティングのスクールに通う
webマーケティングのスクールに通うことも一つの手です。
webマーケターとして必要な基礎スキルから学べるので、時間と金銭に余裕のある方はWebマーケティングスクールに通ってみましょう。
③IT業界に転職する
webマーケターにいきなりならなくても、似た業界のIT業界に転職するのも一つの手です。
IT業界で必要スキルを学び、さらにスキルアップする意味でwebマーケターにチャレンジすることも良いでしょう。
まとめ
こちらの記事では、webマーケティングに向いている人・向いていない人の特徴と仕事内容を解説しました。
「自分は向いている人に当てはまるぞ!」という方は、ぜひ挑戦してみてください。